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目標設定とのKKD法

 プロマネを行う上で,まず決めなければならないのは,目的と目標を確認することです. そのなかで終了ポイントを決める,つまりスケジューリングが必要になりますね.
 このスケジューリング手法の第1段階として,KKD法を用います.

 経験(K)と勘(K)と,最後は度胸(D)を使ってスケジューリングするわけですね. 根拠がない部分と正しい方法論では無いという部分で,初心者には難しいですけど,小さなプロジェクトでは結構有効な方法だと思っています.

 一番悪いのは,完了日や到達点の設定が出来ないプロマネですね. 以外にも,そういった部分が出来ないパターンをよく見かけます.
 部下を信頼して,そこそこ納得感のあるスケジュールを設定・決定してあげれば,けっこう上手いことやってくれるものです. この辺が度胸でしょうかね.

RAM 達成度指標の追加

 前回満点を50点としたのは,二人以上でタスクを達成できるようにしておかないと,依存度が高くなり,プロジェクト推進においてリスクに繋がるというフェイルポイントを作ってしまうからです.
 100点以上になっていることが理想系ですが,人間系の事ですから,そこに経験等は表しにくいので,それでも完璧ではありませんけど,指標にはなりますね.

RAM プロフェッショナル度数

 RAMを作成したら,第2段階として,「プロフェッショナル度数」を追加してみます.
 プロフェッショナル度数とは,50点を満点として,成熟度・熟練度を示してみるのです.
 たとえば例では,「お茶だし」という作業ですが,前回の表では鈴木さんと田中さん山田さんが「できる」という程度の情報でした. プロフェッショナル度数を入れることで「上手くやれる」鈴木さんの価値を見いだすことが出来ます.

 度数については,一定の指標で何段階かを設定するとかしておかないと,付けている時によってばらつきが出たりしますので気を付けないといけませんね.
 この「お茶だし」の例では,田中さん(20)と+山田さん(30)が協力すれば,鈴木さん(50)の代理が出来そうな感じです. そこに至らない場合,たとえば山田さんを25点にするとかで序列を守りながら実体を表現していくことになります.

 なぜ満点50点かは,また後日.

RAM

 プロマネをし始めたときには,30くらいまでのプロジェクトは覚えていられました. 誰が何を担当しているかという所です. でも70近くになると,もう限界.誰に何を頼んだかさっぱり不明です.
 そこでプロマネのなかでRAMという手法で管理すると,簡単で結構楽だという事が判りましたので紹介します.

 RAMとは,Responsibility Assignment Matrixの略で日本語で「責任分担表」と言います. どの作業にどの人が割り当ててあるか,それを示すだけのものです.

 一番シンプルなモノを画像として付けてみました. この例では行に作業内容,列に人の名前を入れて,作業が出来る場合に●印を入れています.

 簡単ですね.

ネーミング

 名は体を表す

 プロジェクトに名前を付ける場合,考えられているか否かすぐ判る. リニューアルするからといって「新会計システム」とかは,さらに次のフェーズの事を考えていない例. じゃ出来損ないの小説みたいに「続・新会計システム」とか?!
 悪い例としては「次世代~」という名前がある.「次世代経営システム」.いつの世代のことだか,さっぱりわからん.
 他には機能を列挙した名前.「全社共通事業部毎会計決定支援情報管理システム」.名前が長い.会議中とかに発言するときや議事録に書き留める場合の事を考えてほしいですね.

 まずは名前を付ける目的に「識別」ができなければいけないでしょう. なので最悪なのは「新共通システム」みたいな名前で,十人十色,示しているモノが違うというのは最悪でしょう.

 私が重要視するのは,呼びやすさと印象付けでしょうか.3文字,4文字にする,あるいは短縮形で呼びやすいというのも良いでしょう.
 変な名前でもブランディング(実績)が上手くいけば,最初に耳慣れないネーミングでも,そのうち慣れて来るというのもありますね.

 そのプロジェクトが成功するかしないかは,ネーミング,つまりブランディングによる愛着度が関係していたりしませんかね.

腐ったミカンの法則

 箱の中にぎっしり詰まったミカンの中に1つ,腐ったミカンがあると他の正常なミカンも腐ってしまうと言うたとえ話.

 これは科学的にも証明されていて,果物の実が熟すとエチレンガスが発生し,周りの果物も巻き込んでいくというロジック.

 プロジェクトを推進していくと,大なり小なりいろいろな問題が発生する.1つでもその問題を解決せずに放置すると,そこから亀裂がでて,より大きな問題となって再登場する.

 大きくなった炎を消化するのも大変だが,なぜ小さな火を見つけたときに対処しなかったかを公開することになる.

プロジェクトマネージャになったらやっておくこと

 まず,あなたがプロジェクトマネージャになったら,一番最初にやっておくべき事は何でしょうか. メンバーとの面談? プロジェクトのスケジュール作成? そういったものも大事ですが,まずは緊急連絡先を押さえるべきでしょうと,私は思います.

 都会で仕事をしていると,住んでいる場所さえしらない同僚はたくさん居ると思います. そして,最近では本人の携帯電話の番号しか判らないことも多いでしょう.
 特に,一人暮らしをしているメンバーがいたら,緊急連絡先として実家の連絡先などを押さえておくべきです.

 こんな事がありました.

1.定時退社して飲み会に行ったメンバーが,飲み屋の前で倒れたので救急車を呼んでいる所だと,同僚から連絡がありました. 本人は救急車で搬送され,緊急治療室に担架ごと運ばれていきました. 私はタクシーで救急車を追って駆けつけましたが,当人は一人暮らしだと知っていたため,まずはこの事実を親族,つまり実家に連絡をしなければならないと考えました.
 しかし,本人の携帯電話の連絡先しかしらないし,本人は治療中なのでどうしようもありません.

2.これも一人暮らしをしているメンバーですが,ある日の朝の事です. 勤怠がいつも悪いのですが,いつもどおり遅い時間に会社に連絡がありました. 「ちょっと体調が悪いので病院に行って来ます」.そして数時間後「診察の結果,1~2週間ほど入院する事になったので入院の準備の為これから自宅に帰ります.」

 こういったことがあって,人事部にメンバー全員の緊急連絡先を教えてほしいと,相談に行きました. しかし,人事部としてはプライバシー保護の観点から開示できない,代わりに人事部の連絡先を教えると,会社の外線直通番号を教えてもらいました. つまり,これだと土日深夜の緊急事態にはどうしようもないです.

 人数はそう多くないので,プロジェクトのメンバーが入っているメーリングリスト宛に,「私宛に,緊急連絡先を教えてください」とお願いしました. おもしろいことに,倒れたメンバー以外は快諾して教えてくれたというオチがあったりしますが.
 最近は協力会社の人も増えたので,その人達の個人情報も把握しておこうかと考えています.

プロマネで一番難しいのは

 プロマネで一番難しいのは,誰がなんと言おうと「人間系」です. Microsoft Projectのようなツールを使いこなせるとか,いろいろな計画手法を知っている等,そんな知識をぶっ飛ばすのが「人間系」です.

 私は丁度2年前にプロジェクトマネージャとなり,自分自身おっさん一人から始めて今は12人の大所帯になりました. ここで恵まれているのは段階的に人数とミッションが増えてきたという経緯があり,いきなり12人のマネージャになるのとはストレスが違うんじゃないかなーと思っています.

 同じ時期に,複数人から聞いたんですが,どこかしらの本だかで「一人の人間が管理できるのは6人説」と言うのがありました. 確かに8人を越えたあたりから動きを把握するのが難しい,そう,イメージ的には記憶が追いつかない状態になってきました.

 打ち出した対策としては,メンバーは12人ですから,これを6つのミッションに割り,仮想6人に仕立て上げてみました. 70個くらいある小さなプロジェクト群が,上手く6つのグループに整理ができました. 

 さらにそれぞれのリーダを立て,そしてそれぞれのグループにはリーダを任命し,ミッションと責任を把握させて推進させ,私は進捗だけを管理し各リーダでは判断できない部分の手助けとアドバイスという感じのマネージメントを行ってみるという手法をこの春から,つまり半年ほど試してみています.

 これがなかなかけっこう上手くいっている感じがでていて,心地よいと感じる時が続きました. しかし,冷静に考えてみると,そういった手法をとってみた部分よりは,その部下となるメンバーの意識が同じ方向を向いている部分が最重要であると分析しています. 「人間系:メンバー」の協力ありきです.

 同じ方向を向いていけないで自ら船を下りた人も出ていますが,まずまずの成果だと自負しています.

プロマネの話

 このブログでは,プロジェクトマネージャとしての経験を,いろいろと残していこうと思います.
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